ドローン用リポバッテリーの安全な管理について

ドローンの電源として広く利用されているリチウムポリマーバッテリー(リポバッテリー)ですが、エネルギー密度が高く便利な反面、管理方法を誤るとすぐに劣化してしまったり、発火するリスクがあります。そんなリポバッテリーを安全に管理したい、とお考えではないでしょうか?
本記事では、リポバッテリーを管理する上で重要なポイントを5点、ご紹介します。この5点を守ることで、リポバッテリーにまつわるリスクを大幅に減らすことができます。
多数のリポバッテリーを所有している弊社におきましても、この5点を守ることでこれまで火災にあうこともなく無事にやってくることができました。
リポバッテリーの管理において重要なポイントは5つ。
リポバッテリーの管理において、どんなに厳格に管理をしても、”絶対に安全”ということはありません。
しかし、比較的取り組みやすい次の5点に注意すれば、リスクを大幅に減らすことができます。
①常にバッテリーチェッカーを持ち歩く。
②セル電圧が3.7~4.2Vの範囲で使用する。
③セルバランスが崩れたバッテリーは使用しない。
④専用充電器を使用して1Cバランス充電する。
⑤保管時にはセル電圧を3.85V付近にする。(ストレージ機能を使う)
順番に解説していきます。
ポイント①常にバッテリーチェッカーを持ち歩く。

リポバッテリーの状態を把握するには、バッテリーチェッカーを使用してセル電圧を確認する以外に手段がありません。
バッテリーの状態を確認することは、安全に管理するための重要な第一歩ですので、バッテリーを使用する際には常にバッテリーチェッカーを持ち歩きましょう。
充電前、充電後、使用前、使用後など節目節目で頻繁に電圧を確認し、バッテリーに異常がないかを判断します。
どのような状態を異常と判断すべきかは、ポイント②および③で解説します。
ポイント②セル電圧が3.7~4.2Vの範囲で使用する。
リポバッテリーの1セル当たりの電圧は、容量ゼロ付近では3.7V、満充電時には4.2Vになります。電圧が3.0~3.3Vを下回ることを過放電、4.2Vを上回ることを過充電といいます。
過放電はバッテリーの使いすぎによって引き起こされます。
ドローンを操縦していると、ついつい長く飛行させたくなり、セル電圧が3.7Vを下回った状態でも飛行を続ようとしてしまうことはよくあります。しかし、セル電圧は容量の減少に対して直線的に減るわけではなく、一定のラインを超えると急激に低下します。3.7Vは過放電までまだ余裕があるように思われますが、実際には容量の下限ギリギリなのです。
過充電は何らかの理由で充電をしすぎた場合に起こります。
典型的な原因は、セルバランスが崩れた状態でバランス調整機能がない充電器を使用してしまうことです。
基本的には、セルバランスを調整する機能を持った専用充電器を使用することで過充電のリスクは大幅に減らすことができます。
過充電・過放電どちらもセルの劣化や発火の原因になりますので、3.7~4.2Vの範囲を外れないように運用しましょう。この範囲を外れたセルがある場合、異常な状態だと判断するのが無難です。
ポイント③セルバランスが崩れたバッテリーは使用しない。

セル電圧が3.7~4.2Vの範囲に収まっていたとしても、ばらつきが大きい場合は危険な兆候と言えます。ばらつきが大きいセルは、劣化していたり、何らかの理由で本来の機能を発揮できない状態です。
どの程度のばらつきまで許容するかは難しいところですが、五百部商事では0.05V以上のばらつきがある場合、なんらかの異常が生じていると判断し、使用するのを避けています。
ポイント④専用充電器を使用して1Cバランス充電する。

急速充電はセルの劣化を早めるため、基本的には使用すべきではありません。
リポバッテリーの場合、2C充電程度までは可能と言われていますが、長期・安全運用という観点からは避けるべきでしょう。
充電の際は、セルバランスを調整する機能を持った専用充電器を使用して1C充電を行いましょう。
ポイント⑤保管時にはセル電圧を3.85V付近にする。(ストレージ機能を使う)
リポバッテリーは電圧が高い状態で保管すると、比較的短期間(数時間~数十時間)で劣化してしまいます。従って、普段は最も安定している3.85V付近で保管しておいて使用する直前に充電する、という運用が基本になります。
専用充電器にはたいてい、電圧を3.85V付近に調整してくれる”ストレージ機能”があります。
使用後のバッテリーは必ずストレージをかけるようにしましょう。
まとめ
リスクの高いリチウムポリマーバッテリーですが、以下の5点に気をつけることで比較的安全に運用ができます。
①常にバッテリーチェッカーを持ち歩く。
②セル電圧が3.7~4.2Vの範囲で使用する。
③セルバランスが崩れたバッテリーは使用しない。
④専用充電器を使用して1Cバランス充電する。
⑤保管時にはセル電圧を3.85V付近にする。(ストレージ機能を使う)
頻繁に電圧を計測したり、使用後に毎回ストレージをかけたりと手間は多くなってしまいますが、ご自身の命や財産を守るためにもしっかりと管理していきましょう。
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